第38回 PSEってご存知ですか?

電安法

株式会社アズマの小川です。
弊社は主に家電を取り扱っています。今更ですが・・・。
私たちが家電を販売するにあたってクリアしなければならない法令がたくさん存在します。
知的財産(特許や意匠権など)の問題ももちろん関わってきます。
経験で分かる部分もあれば、年度でレギュレーションが替わってしまうこともあるので情報収集も必要です。
”法律が変わります!1年猶予期間与えますのでその間に整理してください!”みたいのがたまにあります。
そんな私たちに一番密接なのが電気用品安全法です。PSEでご存知の方もいらっしゃるかと思います。

PSEマークは「Product+Safety+Electrical appliance & materials」の頭文字で、日本独自の基準で電気用品の安全性を確保するための法律である電気用品安全法を満たしていることを示しています。
PSEマークは、テレビや冷蔵庫、モバイルバッテリーなど、さまざまな電気用品に表示が義務付けられています。PSEマークの表示が義務づけられている電気用品において、PSEマークの表示がない製品は製造、輸入、販売全て禁止されており、違反した場合はメーカー、販売店ともに処罰の対象となります。


とAIさんがおっしゃってます。

メーカーはPSEのためにどんなことをするのか?

PSEマークには◇と〇があります。


◇型は特定の電気用品に付けます。例えば電源タップやACアダプターなどです。こちらはより厳密で、第三者の登録検査機関にチェックしてもらわなければなりません。当社で取り扱ってる商品ではあまりありません。


〇型は一般的な家電が対象で100Vに直接つなぐ製品(コンセントが付いてる製品)が主に該当します。


試験基準は別表8と別表12と2通り用意されており、どちらを選ぶかは自由です。
別表8は日本独自基準です。別表12は国際基準になります。
どちらがいい悪いではありませんが、今後は別表12に統一する流れになってきそうです。
(アズマは製品によって選択するようにしてます。)

どちらも製品によって細かく試験基準が設けられてます。
例えば電源コードの屈曲試験とか、ポットだったら転倒流水試験とか・・・。
〇PSEは基本的に自主検査なので、自社でテストを行い検査レポートを保有していればいいのですが、自社で検査機材を保有してるところなど大手しかないので、我々中小企業は第三者の検査機関に委託しテストレポートを保有します。


簡単に言ってますが、これに一番時間がかかります。
中国の工場は当然日本だけを見て仕事をしていないor特に何も考えていない場合もあるので、テストに一発合格とはなりませんので、改良を重ねてテスト合格を目指します。
そのため、アズマの品管部門は事前に工場と折衝しなるべくスムーズにテストが通るようにしてます。
工場とのやり取りに苦労してるのが良く分かります。
テスト基準に満たない部品を変えないといけないこともありますし、アズマでは安心安全を第一に安全装置の追加をしてたりするので単価が上がってしまうこともよくあります。
さらに言うと、工場が検査に通るゴールデンサンプルだけ作って量産製品は元に戻してしまわないように仕様を確定させて工場立ち合い検査することも必要なのです・・・。結構大変です。中国の現地スタッフは日々中国国内を飛び回ってます。(この話はまた今度!)

バッテリーにもPSE

そんな中、2018年2月1日に経済産業省から発表がありました。
「電気用品の範囲等の解釈について」の一部改正によって、電気用品安全法の規制対象に「ポータブルリチウムイオン蓄電池」が含まれるようになり、2019年2月1日以降はPSEマーク表示のないモバイルバッテリーや完全ワイヤレスイヤホンは製造・輸入および販売ができなくなりました。

当時、解釈に齟齬が出る可能性もあるので、認証機関に何度も確認しました。
我々の商品にモバイルバッテリーやイヤホンはないのですが、リチウムイオンバッテリー搭載商品は多数あります。
これは該当しないのか?
”お客様が容易に取り外せないバッテリー””モバイルバッテリー機能がないバッテリー搭載商品”
は該当しないとのことです。

アズマの取り組み

しかし、バッテリーの発火事故が増えたこともありこのような措置がされたと理解しております。

アズマではバッテリーはPSE認証のバッテリーを使うようにしており、もしバッテリーが高温になってしまっても安全を担保できるように温度サーモ(PTCまたはNTC)を付けております。バッテリーが50度以上になったら自動的に給電しないようにする装置です。



そんな取り組みをしてる商品です!使いやすさと同じくらい安全も大切にしてます!
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